「菩提の道場」の最後の札所で讃岐との関所寺は、これまでの平坦な道から山道になり、参道からの73段上った所にある「三角寺」。
天平年間(729〜749)、聖武天皇の勅願により、弥勒菩薩の浄土を現して行基が開基した。
弘仁6年(815)に弘法大師が、巡錫した際に本尊の十一面観音を安置した。同時に不動明王像も刻まれ、三角形の護摩壇を築き、21日間の降伏護摩秘法を修行された、それが三角寺の名の起りである。周囲十数mの池の中には三角形の島があり、七福神の唯一の女神・弁財天がまつられている。
後に嵯峨天皇(在位809〜823)が寺領三百町歩を下賜し、七堂伽藍が建立されるなど寺運は大いに栄えた。だが、天正年間(1573〜1592)には兵火のために堂宇を焼失。現在の寺内の建造物は、嘉永2年(1849)に再建されたものだ。
標高450mの三角寺山の中腹までの73段の石段をのぼりつめると、鐘桜門(仁王門)に着く。山門には梵鐘が釣られて、罪の汚れを取り去るべくこの鐘を突くのが作法。この鐘を撞いて煩悩を落として境内に入ります。
自然に恵まれた広大な境内は、正面には本坊と宿坊、左手に弁財天、薬師堂、さらに左奥に大師堂と納経所、本堂が見える。
子授け祈願で人気のこの寺には、多くの女性が訪れている。
子宝に恵まれない人は、まず庫裏の入口で『しゃもじ』を頂く。そして、このしゃもじを家に持ち帰って自宅で実際に使用して、子授けを祈願する。…というもの。
無事子供を授かったあかつきには、新品のしゃもじを2本持ってお礼参りをするのが決まりです。こうして次の人のために必ず新しいものを用意するするのをお忘れなく。
春は桜の名所で、初夏にはホトトギスの声もきかれる。
4月初旬頃が見頃になる本堂前にある山桜の大木は、三角寺に詣でた一茶の句「これでこそ登りがいがあり山桜」があります。 |